相続相談は行政書士と司法書士どっちにすべき?選び方を解説

  • 相続手続きをしなければならないけれど、どの専門家に頼めばいいのかわからない
  • 行政書士と司法書士の違いがよく分からず、どちらに依頼すべきか迷っている

このように悩んでいませんか?

結論から言えば、依頼すべき専門家は相続財産の種類や状況によって異なります。

本記事では、行政書士と司法書士の業務範囲の違いや、それぞれに向いているケースを比較します。さらに、迷ったときに頼れる相談窓口についても専門家目線で解説しています。

本記事を読めば、自分に合った専門家を見つけやすくなり、行政書士と司法書士の違いがわかります。複雑な相続手続きをスムーズに進めるためのヒントになりますので、ぜひ一読してください。

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井村FP

井村 那奈 ファイナンシャルプランナー

1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。現在はファイナンシャルプランナーとして活動中。

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目次

相続相談は行政書士と司法書士どっちが向いている?

相続でどちらに相談すべきかは、財産の種類や相続人の状況によって異なります。ここでは両者のできる手続きを比較し、そのうえで「どんな人に向いているか」を整理します。

行政書士と司法書士のできる手続きを比較

それぞれの領域については、行政書士は「書類作成」、司法書士は「登記」を中心に担当します。相続では一部重なる部分もありますが、独占業務が異なる点に注意が必要です。

以下の表で違いを整理しましょう。

手続き内容行政書士司法書士
相続人調査・戸籍収集
遺産分割協議書の作成
法定相続情報一覧図の作成
不動産の相続登記
銀行口座の名義変更△(書類作成・整理の補助は可能)
裁判所提出書類の作成補助

※参照:行政書士が相続でできること・できないことを徹底解説|行政書士 本村法律事務所
※参照:こんなときは司法書士|日本司法書士会連合会

司法書士は登記や裁判所関連の書類作成を扱えるため、行政書士よりも業務範囲が広いのが特徴です。特に不動産登記は司法書士の独占業務であり、また遺言の検認や相続放棄の申立てといった家庭裁判所が関わる手続きもサポート可能です。

一方で、行政書士に依頼するメリットもあります。必要な部分だけを切り出して安価に依頼できるため、費用を抑えたい人にとって有効な選択肢となるでしょう。

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これらすべての手続きが必ず必要になるわけではありません。相続内容や家庭の事情によって必要な業務は異なります。

だからこそ「誰がどの範囲までの業務を行えるのか」を理解したうえで、自分の状況に合った依頼先を選ぶことが大切です。

行政書士への相談が向いているケース

行政書士は「書類作成や調査を低コストで依頼したい人」に向いています。代表的なケースは次のとおりです。

  • 相続財産が現金や預貯金のみの人
  • 書類収集だけ依頼したい人
  • 相続人間にトラブルがない人
  • 相続税が発生しない人
  • できるだけ費用を抑えたい人

行政書士は比較的シンプルな相続に向いており、コストを抑えつつ手続きを進めたい人に適しています。

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行政書士に依頼できる範囲は限られているものの、一部業務のみ依頼したい場合はコスパがいいケースもあります。

司法書士への相談が向いているケース

司法書士は「不動産を含む相続や、法的手続きをまとめて依頼したい人」に向いています。具体的には次のような場合です。

  • 相続財産に不動産が含まれる人
  • 相続手続きをワンストップで依頼したい人
  • 遺言書の検認が必要な人
  • 相続放棄をしたい人
  • 法的な知識や助言を求めたい人

司法書士は登記を中心に幅広い相続手続きに対応できるため、不動産が絡む相続では欠かせない存在です。ただし、相続人同士でトラブルがある場合は弁護士に依頼した方がよいケースもあります。

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行政書士よりも業務範囲が広いため、相続手続きをまるっとまとめて依頼したい人に向いています。自分がどちらに当てはまるか分からない場合は、まず気軽にFPに相談してみるのもおすすめです。

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相続の相談は行政書士か司法書士どっちがいい?迷っているならまずFP相談がおすすめ

マネーキャリア

行政書士と司法書士の違いを知っても、自分に必要な手続きが分からなければ相談先を選ぶのは難しいものです。そんなときは、まずFPに相談するのがおすすめです。

無料で利用できるFP相談では、相続手続きの全体像を整理し「どの専門家に依頼すべきか」をナビゲートしてくれます。マネーキャリアなら、相続に詳しいFPが多数在籍しており、何度相談しても無料なため、コスト面での安心感が違います。累計相談件数10万件以上の実績により、個別のケースに合わせたアドバイスが可能です。

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相続手続きは、内容や財産状況によって必要な専門家が異なります。マネーキャリアでは、信頼できる専門家の紹介も可能です。

まずは無料のFP相談で自分に合った手続きを整理し、その上で行政書士や司法書士など適切な専門家につなげるのがおすすめです。専門家選びに迷ったときは、FP相談から始めてみてはいかがでしょうか。

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【みんなはどうしてる?】相続手続きの相談先についてアンケート

相続手続きで行政書士や司法書士に相談した経験がある人を対象にアンケートを実施しました。どのような背景でどちらを選んだのか、実際に相談してどうだったのかを知ることで、自分の選択の参考になります。

下記の3つの質問を見ていきましょう。

※2025年10月04日~2025年10月07日時点での当編集部独自調査による
※回答内容は調査当時の個人の意見や状況に基づいています。
※相続税制度や税制は変更される可能性があり、最新の情報とは異なる場合があります。

行政書士と司法書士どちらに相談しましたか?

相談先として多かったのは「司法書士」で全体の56.6%を占めました。「行政書士」への相談は36.7%、「どちらにも相談した」は6.7%という結果になりました。今回のアンケートでは「どちらにも相談した」と回答した人は少数派で、専門家を分けて選ぶケースが多いことがうかがえます。

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「どちらにも相談した」と答えた少数の方は、手続きの内容や複雑さに合わせて、複数の専門家をうまく使い分けていることがわかります。

相続の内容や資産の状況によって、どの専門家に相談するかを上手に選ぶことが、手続きをスムーズに進めたり、無駄な費用を抑えたりする助けになります。

そちらを選んだ理由はなぜですか?

相続手続きの専門家を選ぶとき、どのポイントを重視して選んだのかは気になるところです。ここでは、行政書士と司法書士を選んだ理由についてのアンケート結果をまとめました。

行政書士を選んだ理由

行政書士を選んだ理由についてのアンケートでは「費用が比較的安かったから」が36.4%と最も多く、次いで「書類作成や役所への手続きに強いと聞いたから」が31.8%でした。

また「相続全般の相談に幅広く対応してくれると思ったから」が13.6%、「知人や紹介で行政書士を勧められたから」と「その他」がそれぞれ9.1%という結果になっています。

費用の安さや手続きの得意分野が選択の大きな理由となっており、行政書士を依頼先として選ぶ際には、コスト面と実務対応力を重視する傾向が見て取れます。

司法書士を選んだ理由

司法書士を選んだ理由についてのアンケートでは「不動産の名義変更(登記)を任せたかったから」が33.3%で最も多く、次いで「法律的な手続きに強いと感じたから」が26.7%でした。

また「過去に依頼したことがあり安心できたから」が13.3%、「費用対効果が高いと思ったから」が3.4%、そして「その他」が23.3%という結果です。

司法書士を選ぶ際は、やはり不動産登記や法律手続きといった専門性が重視される傾向が見られます。また、過去の利用経験や信頼感も選択理由として一定の割合を占めています。

アンケートからわかること

今回のアンケートからは、行政書士と司法書士で選ばれる理由に違いがあることが見えてきました。

行政書士は、書類作成や役所での手続きに詳しく、比較的費用を抑えて依頼できる点が魅力です。初めて相続手続きをされる方や、なるべく負担を軽くしたい方にも利用しやすい専門家と言えます。

一方で、司法書士は不動産の登記や法律手続きなど、専門性の高い手続きを安心して任せられるのが強みです。過去に依頼した経験や信頼できる紹介があると、さらに安心感が増します。

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相続の内容や資産の状況に合わせて、どの専門家に相談するかをゆっくり考えることが、手続きをスムーズに進めたり、余計な費用を抑えたりするポイントになります。

迷ったときは、少し立ち止まって相談先を考えてみるのもおすすめです。

相談してみて良かったことを教えてください

相続手続きは複雑で、初めて経験する方にとっては迷いや不安がつきものです。ここでは、実際に専門家に相談した方の声を抜粋して紹介します。どのようにサポートを受け、どんな点で助かったのかがわかりますので、自身の相続と照らし合わせて参考にしてください。

手続きが全部お任せできて安心(40歳/男性)

複雑な相続手続きをすべて専門家(行政書士)に任せられたので、とても安心できました。自分では知識や時間が足りず迷うことも多かったのですが、プロに任せることで手続きがスムーズに進み、精神的にも大きく助かりました。

オンライン手続きも丁寧にサポート(39歳/女性)

オンラインで個人でもできる手続きでしたが、判断に迷う部分があったため、司法書士に依頼しました。対面で詳しく説明してもらえ、後日の対応も迅速で丁寧なフォローがあり、安心して手続きを進められました。非常に心強かったです。

不動産登記もスムーズに完了(47歳/男性)

不動産の名義変更を司法書士に任せたことで、法務局に行く必要もなく安心でした。素人が行うと不備で何度もやり取りが発生すると聞いていたため、任せて正解でした。手続きがスムーズに完了し、精神的にも負担が軽くなりました。

複雑な書類整理もお任せ(48歳/女性)

必要書類や役所手続きを短期間で代行してもらえました。母の転居歴など誰も把握していなかった情報も整理してくれ、書類を時系列でファイリングまで実施。司法書士に依頼して本当に助かりました。自分でやっていたら膨大な時間がかかっていたと思います。

相続全般に強くて頼りになった(52歳/性別なし)

税金や手続き全般の相談に詳しいFP(マネーキャリア)に相談しました。必要な手続きや書類の確認を行ってもらえ、遠方の財産を含めた進め方の整理もサポートしてもらえたので、初めての相続でも安心して準備を進められました。

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相続手続きは複雑で迷うことも多いため、専門家に相談することで手続きがスムーズに進むだけでなく、精神的にも安心できます。

特に税金や書類、法的手続きに詳しいFPや専門家に相談すれば、必要な手続きや選択肢を整理してくれるため、初めての相続でも安心です。

迷ったときは、まずマネーキャリアのFPなど信頼できる専門家に相談してみるのがおすすめです。

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行政書士と司法書士どっちに相続手続きを依頼する?選び方のポイント5つ

自分のケースでは行政書士と司法書士のどちらに依頼すべきか迷っている人は、次の5つのポイントを確認して判断しましょう。

相続財産に不動産があるかどうか

相続財産に不動産が含まれるかどうかは、依頼先を決める重要なポイントです。不動産の名義変更(相続登記)は司法書士しか扱えない独占業務であり、行政書士では対応できません。反対に不動産がまったくなく現金や預貯金が中心であれば、行政書士に依頼しても十分に対応可能です。

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不動産は将来的に売却や分割が絡むことも多く、登記の有無だけでなく、長期的な見通しを含めて判断することが大切です。

自筆証書遺言があるかどうか

自筆証書遺言が残されている場合、家庭裁判所で「検認」を受ける必要があります。司法書士は検認申立てに必要な書類の作成をサポートできるため、こうしたケースでは司法書士に依頼するのが適切です。行政書士では対応できません。

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遺言の形式によって手続き内容が異なるため、まず司法書士に相談して正しく進めるのが安心です。

相続財産に債務が含まれるかどうか

相続財産に借金などの債務がある場合、相続放棄を検討する必要があります。司法書士は相続放棄の申立書類を作成できるため、こうした場合は司法書士への依頼が適しています。行政書士は相続放棄手続きに関与できません。

また、債務放棄以外にも「相続人と関わりたくない」などの理由で相続放棄を検討している場合も、司法書士に相談するのが適切です。

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相続放棄は、相続を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります※。早急な判断が求められるため、迷ったら一日も早く司法書士に相談するのが安心です。

※参照:相続の放棄の申述|裁判所 – Courts in Japan

費用をできるだけ抑えたいか

相続手続きの費用は依頼する士業によって大きく異なります。行政書士は数万円~20万円程度と比較的安価に依頼できますが、司法書士は登記手続きが中心のため、費用が高くなりやすい点に注意しましょう。

相談先主な業務内容費用相場(目安)
行政書士相続人調査、遺産分割協議書作成、戸籍取得、役所提出書類作成約3万円~20万円程度
司法書士相続登記、不動産名義変更、裁判所提出書類作成・助言約5万円~30万円程度
(登記手続き中心)

ただし、司法書士にまとめて依頼することで、書類収集や複数の専門家への相談の手間を省け、結果的に総コストが下がる場合もあります。

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一見安価でも手戻りや追加依頼が必要になると、余計に費用がかかることがあります。費用優先か効率優先か、自分の優先順位を整理してから依頼先を選ぶとよいでしょう。

手続きをどこまで任せたいか

「どこまで自分で対応し、どこから専門家に任せたいか」も重要な基準です。行政書士は戸籍収集や協議書作成など部分的な手続きを比較的安価に依頼できます。一方、司法書士は登記を含め相続全体をワンストップで対応できるため、丸ごと任せたい人に向いています。

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自力で進められるか不安な場合は、最初から司法書士に一括依頼する方がスムーズに終わるケースが多いです。相続手続きの複雑さや自身のライフスタイルも含め、総合的に考えて判断しましょう。

相続の相談窓口に迷ったらまずマネーキャリアに聞いてみよう

マネーキャリア

相続では「行政書士か司法書士か」だけでなく、税理士や弁護士が必要になることも多く、自分で最適な専門家を選ぶのは大変です。相続の全体像を把握し、自分に合った進め方を知りたい方は、まずFPに相談してみましょう。

マネーキャリアなら相続に詳しいFPが多数在籍しています。相談実績も豊富で、必要に応じて信頼できる士業を紹介してもらえるのも大きな特徴です。専門家選びに迷ったときこそ、最初の一歩として活用できる窓口です。

井村FP

マネーキャリアのFPは、必要に応じて行政書士・司法書士・税理士・弁護士などの専門家につなげる役割を担います。状況を整理しながら最適な専門家を紹介してもらえるため、複数の窓口を行き来する手間も省けます。

とくに相続税の節税対策は早めに動くほど効果を発揮するものも多いため、このような窓口を賢く活用してスムーズに手続きを進めましょう。

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【まとめ】行政書士と司法書士どっちがいいかは相続手続きの状況次第

相続の最適な相談先は、財産の種類や状況によって異なります。

行政書士:書類作成が中心の「シンプルな相続」に向いている
司法書士:「不動産の名義変更」や「法的手続き」が絡む場合に欠かせない

さらに、下記のような専門家も検討するとスムーズです。

税理士:相続税の申告や財産評価が必要なケースで活躍
弁護士:相続人同士の争いがある場合や、調停・訴訟を伴うケースで必須
FP(ファイナンシャルプランナー):相続全体の流れを整理。どの専門家に何を依頼すべきかを明確にできる

最初から自分に合った専門家を見極めるのは難しく、実際には複数の士業が関わるケースも少なくありません。だからこそ「まずはFPに相談して全体を整理し、そのうえで必要な専門家に依頼する」流れが効率的と言えます。

相続で迷っているなら、一人で抱え込まず、まずはマネーキャリアのFP無料相談を活用してみましょう。専門家の知恵を借りることで、複雑な相続もスムーズに進められます。

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